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第67回「岩石と磁石」の巻

フェライト磁石と天然磁石は兄弟

 話が錯綜してきましたが、磁鉄鉱を広く解釈すれば、天然磁石=磁鉄鉱とするのは誤りではありません。通常の磁鉄鉱においては、マグネタイト(Fe3O4)の一部が酸化によってガンマ・ヘマタイト(γ-Fe2O3)になっているからです(磁赤鉄鉱という名称はなじみが薄いので、本シリーズでも、広い意味で天然磁石=磁鉄鉱としています)。

 異なる物質が均一に溶け合った状態のものを固溶体といいます。金銀合金などは典型的な固溶体ですが、マグネタイトとガンマ・ヘマタイトもまた固溶体をつくります。 強い磁力を示す天然磁石は、純粋なマグネタイトあるいは純粋なガンマ・ヘマタイトでもなく、両者の中間型とでもいうべき鉱物です。磁鉄鉱は酸化によって徐々に磁赤鉄鉱に変質するのですが、この酸化の進み具合が、天然磁石の保磁力に関係してくるようです。

 砂鉄もまた一般に磁鉄鉱の粒子とされていますが、実際は酸化鉄と酸化チタンとの共融混合物(2相に分離して共晶をつくることが多い)です。ただし、砂鉄は磁石に吸いつくものの、保磁力が小さいので永久磁石にはなりません。

 1930年代初め、加藤与五郎・武井武両博士によって開発された初のフェライト磁石(OP磁石と命名されたハードフェライト)は、マグネタイトとコバルトフェライトとの固溶体でした。このフェライト磁石はスピネル型の結晶構造をもち、天然磁石とは兄弟のような存在です(現在のフェライト磁石はマグネトプランバイト型の結晶構造)。また、同時期に開発された亜鉛フェライトと銅フェライトの固溶体は、その後、高周波技術の発展とともにトランスコアなどに不可欠の材料(ソフトフェライト)となり現在に至っています。さまざまな固溶体をつくるというところに、フェライトという物質の奥深さが潜んでいます。「フェライトには森羅万象が含まれている」とはフェライトの父と呼ばれた加藤与五郎博士の言葉です。

●磁鉄鉱(マグネタイト) ●赤鉄鉱(ヘマタイト) ●磁赤鉄鉱(マグヘマイト)
化学組成: Fe3O4(四三酸化鉄)
色: 鉄黒色
性質: 磁石によく吸いつくが、磁化は弱く、四三酸化鉄の化学組成のままでは強い天然磁石にならない
結晶系: 等軸晶系
備考: 酸化によって磁赤鉄鉱に変質していく
化学組成: α-Fe2O3(アルファ三二酸化鉄)
色: 鋼灰色・赤色
性質: 磁石に弱く吸い寄せられるが、天然磁石にはならない
結晶系: 三方晶系
備考: 化学組成は赤サビやベンガラ顔料と同じ。鋼灰色の鉱石も砕くと赤い粉末になる
化学組成: γ-Fe2O3(ガンマ三二酸化鉄)
色: 黒色
性質: 磁石によく吸いつき、また強く磁化して天然磁石となる
結晶系: 正方晶系
備考: 磁気テープの磁性体(ガンマ・ヘマタイト)としても利用。広い意味での磁鉄鉱に含まれる
表1 天然磁石とその仲間

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