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第143回 「光の道」を通る光 〜半導体レーザーの仕組み〜

 光ファイバーをつないで情報を伝える「光通信」では、光の点滅で情報を表現します。その光を発生させるための光源として使われているのが、半導体レーザーです。

レーザー光の正体
 レーザー光の源になっているのは、物質中に存在する電子が持つエネルギーです。原子核の周囲に存在する電子は、その軌道に対応したエネルギーを持っています。そして、安定して存在できる軌道はいくつか決まっており、対応したエネルギーはとびとびの値(エネルギー準位)を持つようになっています。高いエネルギー準位の軌道にある電子が、低いエネルギー準位の軌道に移動するとき、そのエネルギー差に対応する波長の光を放出します。


 さて、2つの原子が近くにある時、それぞれの原子核の周囲にある電子の軌道が重なり合うことにより、エネルギー準位は2つに分かれます。さらに多くの原子の集まる結晶では、複数の電子の軌道が重なり合うので、さらに細かくエネルギー準位が分かれます。分かれたエネルギーは、ある一定の幅(エネルギー帯)を持ちます。

 結晶には、複数のエネルギー帯が存在しますが、そのうち結晶の原子が結びつくために使われている電子のエネルギー帯を価電子帯と呼び、それよりも高いエネルギー帯を伝導帯と呼びます。伝導帯と価電子帯のエネルギー差を「バンドギャップ」といいます。レーザー光は、伝導帯から価電子帯へ電子のエネルギー準位が変化する時に放出される光なのです。


N型半導体とP型半導体
 半導体レーザーで使われる半導体とは、電気をよく通す「良導体」と、電気を全く通さない「絶縁体」の中間の性質を示す物質で、熱を加えたり光をあてることによって電気を通したり通さなかったりする性質を持っています。熱エネルギーや光エネルギーにより、結晶内の電子のエネルギーが価電子帯から伝導帯にうつる(励起される)ため、自由に動けるようになって電流が流れるようになるのです。電子が励起される時、結晶の原子が結びつくために使われていた電子は抜け落ちて「孔」があいたような状態になります。これを、「正孔」と呼びます。

 代表的な半導体としては、シリコンがあります。しかし、純粋なシリコンの電子は、原子間を結びつけるために使われているため、室温程度の温度ではほとんど励起は起こりません。電気を通しやすくするためには、ほんのわずかにシリコンに不純物を加えることで、電子を余らせたり、電子を不足させて正孔を作ったりします。

 リン(P)などの電子が余るような物質を加えて作る半導体を「N型半導体」、ホウ素(B)などの電子が不足するような物質を加えて作る半導体を「P型半導体」といいます。N型半導体に電圧をかけると、余った電子が移動して、電子が動く向きとは逆に電流が流れます。P型半導体に電圧をかけると、正孔が移動して、その移動する向きに電流が流れるのです。これに対して、何も加えていない状態の半導体は「真性半導体」と呼びます。


 半導体レーザーは、N型半導体とP型半導体で「活性層」という物質を挟んだ構造をしています。電圧をかけることで、N型半導体の中にある電子と、P型半導体の中にある正孔が活性層に移動します。活性層の中では、N型半導体からきたエネルギー準位の高い電子が、正孔と結びつく「再結合」という現象が起こり、その時にエネルギーを放出して光を発生します。


 再結合がいったん起こると、その時に発生した光が引き金となって、別の電子の再結合が後に続く「誘導放射」という現象がおこります。この時、2番目に発生する再結合は、最初の再結合で発生した光と正確に等しい位相を持った同一波長の光を発生します。誘導放射を何度も繰り返すことで、位相の整った強い光を得ることができるのです。

 誘導放射を効率よく発生させるためには、発生した光を、しばらくの間活性層の中に閉じ込めておく必要があります。実際には、活性層の表面は、「へき開」という性質により鏡のように光を反射するので、活性層の中で発生した光は、ある程度の強さになるまでは、合わせ鏡の間を反射するような形で閉じ込められ、増幅されていきます。やがて光が十分に増幅され、一定以上の強さになると、活性層から光が出ていきます。これが、レーザー光です。



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