TDK
Tech-Mag TDK Techno Magazine 〜テクマグ〜
サイト内検索
メールマガジン登録個人情報保護基本方針
home
電気と磁気の?館
じしゃく忍法帳
フェライト・ワールド
column
テクの雑学
アースサイエンス&TDKテクノロジー
パワーエレクトロニクス・ワールド
コンデンサ・ワールド
なるほどノイズ(EMC)入門2
なるほどノイズ(EMC)入門1
過去の読み物

TDKホームページ
 トップページテクの雑学 > 第119回 水でおいしく加熱する、スチームオーブンレンジで料理を楽しもう!
テクの雑学

第119回 水でおいしく加熱する、スチームオーブンレンジで料理を楽しもう!

 どこの家庭の台所にもある家電製品ですが、値段も機能もさまざまなのがオーブンレンジ。最近発売される機種には、「スチーム機能」がついた「スチームオーブンレンジ」が増えています。今回のテクの雑学では、スチームオーブンレンジが「水で加熱する」仕組みを探ります。

そもそも「オーブン」、「レンジ」ってなんだろう?
 オーブンもレンジも、食品を加熱するための調理器具ですが、直接火にかけるのではなく、加熱室の中に食品を置いて加熱するのが特徴です。「オーブン」は、ガスやヒーターで加熱室内の空気を熱して、空気から食品に熱を伝えることで、外側から食品を加熱します。「レンジ(電子レンジ)」は、電磁波を使って、食品の内部にある水分子を振動させ、その摩擦熱で食品を加熱します。元々は全く別の仕組みの製品でしたが、形状が似ていることから、レンジとオーブンの両方の機能をもたせた「オーブンレンジ」が多くの家電メーカーから発売され、普及しています。

 オーブンは、加熱室内が均一な温度なので表面をむらなく加熱できるという長所がありましたが、表面に比べて内部が温まりにくく、温度調整を上手にしないと「外はこげているのに中は生焼け」といった失敗が起こりやすいという欠点がありました。一方、電子レンジは、食品の内側から加熱するため、オーブンに比べると内側も短時間でしっかり加熱できるという特徴があり、短時間で調理済みのご飯やおかずを温めるときには威力を発揮しましたが、食品中の水が水蒸気となって外に出てしまうため、乾燥しやすいという欠点がありました。乾燥を防ぐためには、過熱時にラップが欠かせなかったのです。

 スチームオーブンは、外部から熱を伝えるという点ではオーブンと同じしくみですが、空気ではなく100℃よりも温度の高い「過熱水蒸気」を使います。過熱水蒸気の発生は、一度水を沸騰させて100℃の水蒸気を発生させ、さらにそれを過熱するという2段階の手順で行います。


 普通のオーブンと比べると、内部まですばやく熱がとおりやすく、電子レンジと比べると乾燥しにくいという特徴があり、業務用には以前から使用されていました。しかし、装置がどうしても大掛かりになることと、電気調理器具の中で水を扱うため、安全で衛生的な仕組みを作ることが難しかったことから、家庭用の製品はなかなか誕生しませんでした。

 こうした課題を克服して、家庭用にはじめて製品化されたのは、2002年に発売された松下電器(現・パナソニック)の「スチームオーブンレンジ」で、「ラップ無しでも電子レンジで温め可能」という製品特徴が分かりやすく、評判になりました。2年後の2004年、「水で焼く」という斬新なキャッチコピーで発売されたのが、過熱水蒸気だけで食品を焼く、シャープのウォーターオーブン「ヘルシオ」です。その後、多くのメーカーでスチーム機能が取り入れられ、現在はオーブンレンジの新製品の多くに、スチーム機能がついています。

水蒸気で「外はカリカリ、中はしっとり」に焼き上げる!
 なぜ、水蒸気で温めると効率よく加熱できるのでしょうか。それは、水蒸気が気体から液体になる時に発生する「凝結熱」を利用しているからです。空気から伝わる熱に比べると凝結熱は非常に大きいため、急速に温度を上げることができます。

 また、熱を伝えるスピードが早いだけではなく、温度が上がっていない部分で凝結が発生しやすいという特徴があるので、加熱ムラが減ります。さらに、水蒸気の粒子は食品内部にも入り込むので、食品の表面だけでなく、内部も加熱することができるのです。目玉焼きや餃子を作る時に、仕上げに少し水を入れてふたをすると、内側までしっかり火を通すことができますが、これも水蒸気を利用した過熱です。

 加熱するとき水蒸気が水になるなら、食品の表面に水がついて表面がべとべとになりそうに思えますが、そんなことはなく、外はカリカリに、しっかり焦げ目までつけることができます。過熱水蒸気は100℃以上の水蒸気なので、表面についたままの水は、100℃以上の温度で再び水蒸気になるのです。


 過熱水蒸気で過熱されても、食品の内部は直接過熱水蒸気に触れていないので、水分はそのまま保たれています。こうして、「外はカリカリ、中はしっとり」の過熱が可能になるのです。

前のページへ | 1/2 | 次のページへ

ページtop
HOME 電気と磁気の?(はてな)館 アースサイエンス&TDKテクノロジー テクの雑学 コンデンサ・ワールド
Copyright(c) 1996-2014 TDK Corporation. All rights reserved.
※記事の内容は、記事掲載時点での情報に基づいたものです。一部、現在TDKで扱っていない製品情報等も含まれております。
TDKホームページは、Internet Explorer5.5以降、Netscape Navigator7.0以降でご覧いただくことを推奨しています。