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 トップページテクの雑学 > 第83回 逆転の発想で高速化! -携帯電話3.5G方式「HSDPA」の仕組み-
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第83回 逆転の発想で高速化! 
-携帯電話3.5G方式「HSDPA」の仕組み-

 導入された当初はFOMAの384kbpsの通信でもずいぶん早く思えたものですが、最近急速に普及しているのがHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)。ドコモが2006年8月から3.6Mbpsのサービスを開始し、12月12日には、イーモバイルが7.2Mbpsというサービスの提供を開始しました。どうやって高速化しているのかHSDPAの仕組みをみてみましょう。

ベースになるのはW-CDMA方式
 HSDPAのベースになっているのは、FOMAで使われているW-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式です。W-CDMAの技術的な特徴は、「スペクトラム拡散方式」であることです。これは、デジタル信号に搬送波を掛け合わせて、広い周波数帯域を使う波に変換することで、ノイズに強い通信を実現する方式です。

 携帯電話の通信では、常に端末を持っている利用者が移動していることが前提になるため、端末と基地局の間の距離や電波状況はめまぐるしく変化します。このことにより発生する電波強度の変化をフェージングといいます。W-CDMAでは、フェージング対策として、一定速度で通信するために、基地局側で電波強度を細かく変化させる必要がありました。

 逆に、電波強度は一定のままで、効率的に電波を利用することで、全体として通信を高速化する仕組みが、HSDPAです。


 その原理は、電波状態が良い端末にはデータを多く、悪い端末には少なく送り、端末の状況の変化をきめ細かくチェックしてデータ量を増減することで、全体として送るデータの量を増やしているものです。

 HSDPAの変調方式などは既存のW-CDMAと共通なので、既存の基地局の設備がほぼそのまま利用できます。また、端末もモジュールの一部を変更するだけで利用できることから、急速に普及が進んでいます。第4世代(4G)携帯電話の本格的登場までのつなぎの方式として、3.5Gとも呼ばれます。

フェージングを逆手にとる高速化の技術
 HSDPAの高速化を実現しているのは、「適応変調」「適応符号化」「Hybrid-ARQ」「ハイスピードシェアチャネル」の4つの要素技術です。

 適応変調とは、通信の状況により、変調方式(搬送波による信号変換の方式)を使い分ける方法です。電波の状況が良いときは4ビット単位で情報を送信する「16QAM」、電波の状況が悪いときは、2ビット単位で情報を送信する「QPSK」を使用します。

 QPSKは、搬送波の位相を4通りに変化させることで、「00」「01」「10」「11」の4とおりの情報、すなわち2ビットの情報を表現できます。16QAMは、搬送波の位相に加えて振幅も4通りに変化させることで、「0000」〜「1111」の16通りの情報、すなわち4ビットの情報を表現できます。

 ただし、搬送波の振幅は、ノイズの影響を受けやすいため、電波状況が悪い時にはエラーが発生しやすくなります。HSDPAでは、電波状況によりQPSKと16QAMを切り替えて使うことで、電波状況にあわせて効率よく通信できるのです。

 適応符号化とは、一度に送る情報の中で、実際のデータと誤り訂正用データの割合を電波状況によって変化させる技術です。電波状況が良いときには実際のデータの割合を増やし、悪い時は誤り訂正用データの割合を増やします。

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