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アイドリングストップもエンジンまかせ −スマートアイドリングストップシステム−

 ガソリン価格が高騰モードに入っています。ほんの数年前には、レギュラーガソリンで1リッターあたり80円台まで安くなっていたものが、現在は120円台後半から130円台。8月には140円台突入か? とも言われています。
 一般的な小型乗用車の燃料タンク容量は50〜60リッター程度で、残り10リッターになると燃料切れ警告ランプが点灯します。約50リッター給油するとして、リッターあたり90円なら4,500円で済むところが、リッターあたり130円だと6,500円、140円では7,000円にもなってしまいます。5,000円札でお釣りが返ってきていたものが、さらに1,500円以上も余計に払わなければならなくなってしまったわけで、高騰ぶりを痛感させられる事態と言えます。

アイドリングストップのメリット・デメリット
 ガソリン価格にかかわらず、省燃費運転を心掛けるに越したことはないのですが、ここまで高騰すると、生活防衛のため、より積極的な省燃費方法はないものか? と思うのが人情です。急発進や不必要な加速をしない、なるべく高いギアを使って走るといったセオリーに加えて、個人としても手軽にできることとして、「アイドリングストップ」に注目してみてはいかがでしょうか。

 クルマやオートバイのエンジンは、なんらかの方法でクランク軸を強制的に回転させることで始動させます。多くの場合は「セルフスタータ・モータ」と呼ばれる、電気モータの力でクランクを回転させて始動する機構を備えています。
 クランクを回転させると、シリンダー内部のピストンが押し上げられて内部の混合気を圧縮します。そこに点火することで混合気が爆発し、膨張する力によってピストンが押し下げられ、その力がクランク軸を回転させ……という、一連の動作が連続的に行なわれます。この状態は燃料が供給され、点火プラグに通電している限り、続くように作られていて、一般的なクルマは、停車していてアクセルを踏まない状態でもエンジンが停止しないよう、必要最低限の燃料を供給し続けています。

 この状態をアイドリングと呼んでいます。「怠惰な」「仕事のない」「暇な」といった意味の動詞「Idle」にingを付けた動名詞で、たとえば工場の生産ラインで部品の供給待ちなどのため、実際に生産していない時間を「アイドリングタイム」と呼んだりもします。

 アイドリングストップとは、信号待ちや渋滞などでクルマが停止している状態で、エンジンの動作を停止させることです。アイドリング中に消費される燃料は、移動のために直接貢献しませんから、ムダ遣い状態と言えるわけです。
 車種やエンジンの排気量などにもよりますが、一般的に5分間のアイドリングで50〜70cc程度の燃料が消費されると言われています。100分間で1リッター消費する計算になりますから、省燃費効果は無視できないレベルと言っていいでしょう。

 アイドリングストップは、ごく普通のクルマでもドライバーがイグニッションキーを操作することで実現できます。イグニッションキーを「OFF」もしくは「ACC」の状態へ戻すと、点火プラグへの通電が遮断(もしくは燃料供給が停止)され、シリンダー内部で爆発が起こらない状態になります。普段、エンジンを停止させる手順とまったく同じです。再び走り出すタイミングになったらイグニッションキーをONの状態にし、エンジンを再始動させるわけです。

 しかし、クルマのインタフェースとしてイグニッションキーの位置はあまり操作しやすいところには配されていません。使用頻度が低く、走行中に操作するものではないことから、むしろなるべくドライバーが触れないように配慮されていることが多いのです。そのため、アイドリングストップによる省燃費効果自体は理解していても、操作のわずらわしさに「まあ、いいや」となってしまいがちなのが実状と言えるでしょう。

 また、アイドリングストップにはデメリットも指摘されています。エンジンを再始動するタイミングが悪いとスムーズな交通の流れを妨げてしまうこと、エンジンは始動時に多くの燃料を消費しがちなこと、また始動直後の20〜30秒間程度は排気ガス中の有害成分が増大してしまうことなどが、その根拠になっています。また、セルフスタータやバッテリを酷使することによるトラブルも懸念されがちです。通常のクルマでは、エンジンを停止するとエアコンも止まってしまうことも、特に夏場には心理的な抵抗感を生みがちです。

 これらのデメリットは、実はケース・バイ・ケースなのです。始動時の燃料消費と、排ガス中の有害成分増加については、「1回あたり連続で6秒以上停止する場合には、アイドリングストップによるメリットが上回る」との実験結果が報告されています。セルフスタータの酷使については、クルマ固有の状態にもよりますが、一般的に数万回程度の使用を想定しているので、そう心配する必要はないと考えられます。バッテリに関しても同様で、日ごろのメンテナンスをしっかり行なっていれば、そうそうトラブルにはつながらないはずです。


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