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 トップページテクの雑学 > 第24回 IT技術で犯罪被害から子どもを守れ! — 弱者保護と遠隔確認 —
テクの雑学

IT技術で犯罪被害から子どもを守れ! — 弱者保護と遠隔確認 —

 昨今、子どもやお年寄りが被害者となる事件が激増している感があります。2001年6月に大阪府池田市の小学校で起こった痛ましい事件はまだ記憶に新しいところですが、警察庁発表によると、それ以前は年間8〜9万件台だった小中学生の犯罪被害件数が、同年は一気に11万件を突破したそうです。現時点で最新の資料となる警察庁発表「平成16年(1〜11月)の犯罪情勢について」107ページ以降に記されている「子どもを被害者とする犯罪」によると、同期間の小中学生の犯罪被害件数は約9万4000件でしたから、通年では10万件を超えている可能性が高いでしょう。2004年11月に奈良で起きた小学生女子誘拐殺人事件など、凶悪な犯罪をきっかけとしたマスコミ報道のフレームアップ効果による思い込みだけではなく、子どもの犯罪被害は確実に増加していると判断していいでしょう。

 小さなお子さんをお持ちの方は、日々さぞや気が気ではないことでしょう。悲しいことですが、もはや日本も“そういう国”になってしまったと認識する必要がありそうです。
 先にあげた警察庁発表の中では、未就学児童、小学生、中学生といった年代別に被害にあいやすい犯罪の種類についても分類しています。
 同資料は警察庁のWebサイト上にある「統計」のページ上でPDFファイルとして公開されていますので、ご自分のお子さんの年代に応じて注意するべきシチュエーションを知り、対策を立てる判断基準として、ぜひご参考いただきたく思います。

 さて、嘆いているだけでは、大切な子どもを犯罪被害から守れません。幼稚園や学校、塾などの中にいる間の安全は施設の責任者が確保するとして、危険性が高いのは登下校時や遊びに出ている間です。日常生活の中では、たとえ未就学児童であっても、常に保護者の目の届く範囲でだけ行動させる、というわけにもいかないでしょう。すぐ近所の友達の家まで遊びに行くといった場合でも必ず送り迎えできればベストですが、実際にはなかなかそうも行かないのではないでしょうか。

 思えば、昔は「地域の眼」という監視・保護装置が有効に機能していたわけですが、昨今では社会全体の流動性が高まったことなどにより、地域住民間に共同体意識が希薄になっている傾向が認められます。実際、「お隣さんの顔も知らない」といった事態も決して珍しいものではありません。そうでなくても、地域によってはどうしても通学路自体が人目や人通りの少ないルートになってしまうこともあるでしょう。

 「地域の眼」に取って代わるもの、というわけではありませんが、登下校時など保護者の目の届かない場所にいる子どもを守るための仕組みとして、筆者が真っ先に思い浮かべたのは、セコム株式会社が提供するサービス「ココセコム」です。
 サービス開始が2001年ですので、すでにご存じの方も多いとは思いますが、ココセコムはGPS機能付きCDMAケータイから通話機能を省いたような専用端末を用いる、リアルタイム位置確認サービスです。これだけなら以前にも同様の機能を持ったPHSなどがありましたが、ココセコムの特徴はセコムならではのセキュリティサービスがセットになっている点です。端末を携帯する人が緊急事態に遭遇した時に端末の通報ボタンを押すと、オペレーションセンターが通報信号と位置情報を受信、緊急連絡先に伝えたり、係員が現場に急行したり…といった対応をしてくれます。

ココセコムのセキュリティの仕組み

 ココセコムは「移動体」全般に向けたサービスで、契約対象によっていくつかの端末を用意しています。「人向けサービス」に用意されている標準端末は縦7.9cm×横4.3cm×厚さ2.25cm、重さがバッテリー含みわずか約53gというコンパクトさながら、最大240時間も連続動作します。子どもだけではなく、高齢者の徘徊対策やペットの脱走防止などにも有効なサービスとして、運用開始以来多くの契約実績を誇っています。

関連情報リンク
セコム株式会社「ココセコム」

オリビエナビランド
 さて、ココセコムのシステムを利用して、より積極的に子どもを守ることを目的とした製品/サービスも各種提供されています。元祖といえるのは、ランドセルのトップメーカーである株式会社協和がセコムとの業務提携によって商品化した「オリビエナビランド」でしょう。早い話が、ココセコム端末の専用収納ケースを本体に固定できるランドセルです。小さな子どもはどうしても忘れ物・落とし物をしがちです。せっかくココセコム端末を持たせても、うっかり失くしてしまったり……といった事態を避けるには有効な発想と言えるでしょう。また、ケースをランドセルに固定するのはマジックテープなので、学校以外のところへ行く場合にもココセコム端末を携帯させられます。

関連情報リンク
株式会社協和「オリビエナビランド」

プレセーブ
 さらに一歩進んだ製品といえるのが、通学服大手の小郷産業株式会社が開発した「プレセーブ」です。ココセコム端末収納用のポケット/ポーチ用吊バンドを備えた小学生用の通学服で、これならランドセル以上に紛失の危険性を低減できるはずです。収納ポケットには、通報ボタン操作の確実性を高めたり、衝撃から端末を守るためのさまざまな工夫が盛り込まれています。また、要所にガラスビーズの再帰反射素材を採用し、夜間の視認性を高めて交通事故被害を未然に防いだり、服の内部と両腕部には防弾チョッキなどに使われるスーパーアラミド繊維を用いて万一の時の危険性を低減させたりといった工夫も盛り込まれています。

関連情報リンク
小郷産業株式会社「プレセーブ」

 子どもが少し大きくなって、携帯電話を持たてもいい時期になったら、auが提供を開始した「安心ナビ」サービスを利用するのもいいでしょう。「生活密着型GPSサービス」と銘打つこのサービスは、GPS機能付きのケータイ端末を用い、リアルタイムで相手の現在地を検索できる「安心ナビ 位置確認」と、あらかじめ設定したエリアに登録した相手が入った/出たことを通知してくれる「安心ナビ エリア通知」が用意されています。
 「安心ナビ 位置確認」は、「位置確認メール」と「いつでも位置確認」で構成されます。「位置確認メール」は相手の事前登録などが不用。アドレス帳から検索したい相手を選択し、メールで位置検索の要求を受けた相手が同意すれば、位置情報を記したメールが返信される仕組みです。「いつでも位置確認」は、事前に登録した相手に対して、自動的に位置情報が取得できます。
 「安心ナビ エリア通知」は、あらかじめ設定した半径200mのエリア(10個まで登録可能)に相手が入った時/出た時に、自動的に告知メールが届くサービスです。これらをうまく組み合わせれば、子どもの位置と行動の確認に大いに役立つことはうけあいです。

関連情報リンク
KDDI株式会社 > 会社情報 > ニュースリリース(2005年5月31日)

 IT技術と社会基盤がさらに進化すれば、さらに新たな位置/行動把握サービスが登場してくることでしょう。例えば小学生が付けている名札に無線タグを内蔵し、学校の校門など要所に設置したリーダーと連携させれば、子どもが無事に学校に着いたか? ○分前に下校したのにまだ帰って来ない…といった行動が把握できます。さらに何らかのインフラ(たとえばケータイの中継局、特定の信号機や駅の改札など)、さらに街頭カメラの類と連携させる……といった展開も期待できるでしょう。
 こういった位置/行動把握サービスは、一歩間違うと監視社会化に拍車をかけてしまう危険性も内包しているわけですし、子どもとしてもヤな気持ちかもしれませんが、まあ小学生ぐらいまでの間は安全の確保のためにしかたがない措置と割り切ってもらうしかないでしょう。

SPASのセキュリティの仕組み

関連情報リンク
有限会社みっく Spas(スパス) 登下校の際に、専用端末から親族へのメール配信によって子供の状況を把握できる最新型の情報サービス。
毎日、就学の状況もわかるという意味で、勤怠評価も可能な点が優れている。

 ただし、そういった製品やサービスを使っているからといって安心し切ってしまうのは考えものです。たまには子どもを学校や塾へ送り迎えして、道のりの途中にある「子ども110番の家」などの位置を一緒に確認し、何かあったらここに逃げ込むということをしっかり覚えさせたり、逆に自分が外出している折、周囲にいる子どもが不審者などにつけ回されていないかといった事柄に少しだけ注意を払ったり、といった、アナログな配慮も忘れないようにしていただきたいものです。

 なお、子どもの安全対策に関するニュースの一覧が、YAHOO!ニュースのトピックスにまとめられていますので、ぜひご参考ください。

関連情報リンク
Yahoo!ニュース - 子どもの安全対策


著者プロフィール:松田勇治(マツダユウジ)
1964年東京都出身。青山学院大学法学部私法学科卒業。在学中よりフリーランスライター/エディターとして活動。
卒業後、雑誌編集部勤務を経て独立。現在は日経WinPC誌、日経ベストPCデジタル誌などに執筆。
著書/共著書/監修書
「手にとるようにWindows用語がわかる本」「手にとるようにパソコン用語がわかる本 2004年版」(かんき出版)
PC自作の鉄則!2005」「記録型DVD完全マスター2003」「買う!録る!楽しむ!HDD&DVDレコーダー」など(いずれも日経BP社)


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