TDK
Tech-Mag TDK Techno Magazine 〜テクマグ〜
サイト内検索
メールマガジン登録個人情報保護基本方針
home
電気と磁気の?館
じしゃく忍法帳
フェライト・ワールド
column
テクの雑学
アースサイエンス&TDKテクノロジー
パワーエレクトロニクス・ワールド
コンデンサ・ワールド
なるほどノイズ(EMC)入門2
なるほどノイズ(EMC)入門1
過去の読み物

TDKホームページ
 トップページテクの雑学 > 第7回 永久に与えられる無限のエネルギー −太陽電池のスゴい可能性−
テクの雑学

永久に与えられる無限のエネルギー −太陽電池のスゴい可能性−

 地球に降り注ぐ太陽光のエネルギーは、1秒間に12,000,000,000,000kW(キロワット)。そういわれてもピンときませんが、1時間で、地球全体で使用するエネルギーのおよそ1年分に匹敵するそうです。

 太陽光エネルギーを使った発電は、石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料のように二酸化炭素を排出して地球温暖化を促進することもありません。また、原子力発電のように、万一の放射能事故の危険もありません。クリーンで地球に優しく、しかも数十億年尽きることがない、まさに夢のエネルギーです。

 米国ベル研究所のピアソン、チャピンらのグループにより、1954年に発明された太陽電池は、ケイ素(Si)の結晶に、少しだけリン(P)を加えた「n型半導体」と、少しだけホウ素(B)を加えた「p型半導体」の、2種類の半導体を張り合わせてできていました。この半導体の表面に光をあてると、「光電効果」により、電子と正孔が発生します。電子はn型半導体の方に、正孔はp型半導体の方に向かって移動するため、n型半導体とp型半導体の境界に電圧が発生します。n型半導体とp型半導体に電極を取り付けると、電流を取り出すことができるのです。
太陽電池の発電原理

 国内に石油など地下資源をほとんど持たない日本では、早い時期から太陽光発電の実用化に向けての研究と商品開発が進められてきました。2001年の日本国内における太陽光発電装置の設置容量は、122,010 kWとなっており、世界の設置容量の47.5%を占めています(エネルギー・産業技術総合開発機構ホームページより)。その8割が一般住宅の屋根などに設置された、家庭用太陽光発電システムです。屋根の上に設置されている大きなパネルをごらんになったことのある方もいらっしゃると思います。

エネルギー・産業技術総合開発機構  http://www.nedo.go.jp/

高周波プラズマCVDの概要
 このように、太陽電池といえば、パネル型の大きなものをイメージしがちですが、最近はアモルファスシリコン半導体を使用した、フィルムタイプの小型で薄い電池も開発されています。フィルム型電池の製造には、「プラズマCVD法」という技術が使われています。

 蒸着装置の中にウェハー(基盤)と電極を設置しておき、蒸着装置内を真空にします。次に、アモルファスシリコンの原料となる、モノシランガスを蒸着装置内に注入し、同時に薄膜を200度程度までヒーターで温めます。原料ガスが充満したところで、電圧をかけることにより、原料ガスに電子が衝突してプラズマ状態となります。プラズマになったガスは、温められた基板に積みかさなり、アモルファスシリコンの薄膜が形成されます。

 TDKでは、高分子フィルム上に低温で欠陥の少ない高品質太陽電池膜を形成させる技術を確立することにより、厚さ200ミクロンの超極薄フィルム太陽電池の量産に成功しました。薄く、軽く、フレキシブルに整形できるというメリットを生かして、太陽電池で動く腕時計に応用されています。他にも、携帯電話の電源や、電子ペーパーの電源、ウェアラブルコンピューター(服に内蔵されたコンピューター)が実装された時には電源として使うなど、さまざまな可能性が考えられます。

 また、西田 和明氏と丹治 佐一氏の共著による、「やってみよう!太陽電池で手作り工作—TDKフィルム太陽電池工作事例 」(ISBN:4896370686)という本では、フィルム太陽電池を使った、ソーラーエネルギーを体感できる楽しい工作が紹介されています。

株式会社 紀伊國屋書店 Kinokuniya BookWeb
  http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4896370686.html

 さて、アモルファスシリコン半導体の太陽電池は、比較的安価に量産できるという長所がありますが、エネルギー変換効率では、単結晶シリコン半導体のほうが優れています。これは、単結晶シリコンの半導体が、可視光領域から赤外領域までの広い波長の光をエネルギーに変えることができるのに対し、アモルファスシリコン半導体では、エネルギーに変換できる光の波長が可視光領域にかぎられるからです。

 この弱点を逆に利用しているのが、アモルファスシリコン半導体を利用した、可視光センサです。このセンサは、携帯電話のバックライト液晶の光量調整などに応用されています。

アモルファスシリコン半導体可視光センサ アモルファスシリコン半導体可視光センサ
アモルファスシリコン半導体可視光センサ

 アモルファスシリコンを用いたTDKの可視光センサは、通常使われている硫化カドミウムを主成分とするCdSセルを用いたセンサと異なり、有害物質を含みません。センサに応用しても、地球環境にやさしい技術なのです。


著者プロフィール:板垣朝子(イタガキアサコ)
1966年大阪府出身。京都大学理学部卒業。独立系SIベンダーに6年間勤務の後、フリーランス。インターネットを中心としたIT系を専門分野として、執筆・Webプロデュース・コンサルティングなどを手がける
著書/共著書
「WindowsとMacintoshを一緒に使う本」
「HTMLレイアウトスタイル辞典」(ともに秀和システム)
「誰でも成功するインターネット導入法—今から始める企業のためのITソリューション20事例 」(リックテレコム)など


ページtop
HOME 電気と磁気の?(はてな)館 アースサイエンス&TDKテクノロジー テクの雑学 コンデンサ・ワールド
Copyright(c) 1996-2014 TDK Corporation. All rights reserved.
※記事の内容は、記事掲載時点での情報に基づいたものです。一部、現在TDKで扱っていない製品情報等も含まれております。
TDKホームページは、Internet Explorer5.5以降、Netscape Navigator7.0以降でご覧いただくことを推奨しています。