エレクトロニクス入門

コンデンサ編 No.5 「フィルムコンデンサ②」

過去の記事を整理・一部リライトして再掲載したものです。 古い技術情報や、 現在、TDKで扱っていない製品情報なども含まれています。

フィルムコンデンサの主要特性

●定格電圧

恒常的に印可して使用可能な最大電圧。DC(直流)定格とAC(交流)定格があります。一般にフィルムコンデンサのDC定格、AC定格は、ともに数10〜数100V程度で、電力用の高圧タイプはAC数kV以上となっています。AC定格は交流のみを扱う回路で使用されることを前提としているコンデンサの電圧です。ACで使用する場合、ある一定以上の電圧が印可されるとコロナ放電が発生し、連続的なコロナ放電は絶縁破壊の原因になったりします。なお定格電圧は温度上昇とともに低下する傾向にあるので余裕をもって選択します。

●自己発熱

高周波電流やリップル電流によって、フィルムコンデンサは自己発熱します。一般的に自己発熱は5〜10℃以内とされ、周囲温度+自己発熱温度が使用温度範囲を超えないようにする必要があります。

●静電容量の温度特性と周波数特性

フィルムコンデンサの静電容量は温度の影響を受けます。その変化率は誘電体であるプラスチックフィルムの種類により異なります。PPSはほとんど変化しないのに対して、PETは正の温度係数で変化し、PPは負の温度係数で変化します。相反する温度係数を組み合わせて、静電容量の安定化を図った複合コンデンサもあります。また、使用周波数によっても静電容量は以下の図のように変化します。PPSは温度特性とともに周波数特性にもすぐれるのが特長です。

●tanδ (誘電正接)の温度特性と周波数特性

tanδ (誘電正接)の値が小さいほど熱損失の少ないすぐれたフィルムコンデンサとなりますが、tanδ は周波数が高くなるほど上昇します。最も上昇が少ないのはPPで、大電流用として適しています。また、温度によるtanδ の変化もPPではほとんどみられません。

●蒸着電極の自己修復(セルフヒーリング)機能/保安機能

蒸着電極型のフィルムコンデンサの大きな特長は、蒸着電極が自己修復(セルフフィーリング)機能をもっていることです。これはフィルムに電気的な弱点部があったり、過電圧が加わったりして絶縁破壊を起こしたとき、瞬時に周囲の蒸着膜が酸化されて、絶縁状態を回復することをいいます。
また、さらに信頼性を向上させるため、蒸着膜に保安機能をもたせたタイプが主流になっています。これはフィルム全面に一様に蒸着膜を形成するのではなく、タイル状の複数領域に分割し、それらを狭いヒューズ部でつないだパターンで蒸着したタイプです。自己修復機能の限界を超える絶縁破壊が起きたとき、ヒューズ部が溶断して絶縁破壊が回避されます。蒸着パターンは各種あります。

TDKのフィルムコンデンサ(EPCOSブランド)のタイプと主要アプリケーション

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