TDK
Tech-Mag TDK Techno Magazine 〜テクマグ〜
サイト内検索
メールマガジン登録個人情報保護基本方針
home
電気と磁気の?館
じしゃく忍法帳
フェライト・ワールド
column
テクの雑学
アースサイエンス&TDKテクノロジー
パワーエレクトロニクス・ワールド
コンデンサ・ワールド
なるほどノイズ(EMC)入門2
なるほどノイズ(EMC)入門1
過去の読み物
世界陸上@TDK
Techno-Box@TDK
あっとデバイス
テクのサロン
with ferrite
テクの図鑑
磁気と生体
TDKの書籍

TDKホームページ
 トップページ過去の読み物じしゃく忍法帳
じしゃく忍法帳

第30回「炊飯器のセンサとスイッチ」の巻

炊き上がり温度で磁石から離脱する

一般にフェライトは温度上昇とともに、磁石に吸着する強磁性体の性質を失って、 磁石に吸着しない常磁性体となってしまいます。結晶の磁気的構造がある温度を境と して急変するためで、この温度のことをキュリー温度(キュリー点)といいます。

電気炊飯器のスイッチを入れるとヒータの温度は高まり、やがて釜の中の水は沸騰 しますが、炊飯中の釜底の温度は100℃を少し超えるぐらいで一定を保ちます。これ はヒータからの熱エネルギーは米に吸収されて、デンプンのアルファ化に使われるか らです。この状態が20〜30分間続くと、米の内部における熱エネルギーの消費も終わ りを告げ、釜底の温度は急激に上昇し始めます。このときの温度をキュリー温度とな るように、材料組成を設計したのが、炊飯器に使われる感温フェライトです。このた め、炊飯中は強磁性体として磁石に吸着していますが、釜底が炊飯温度から急上昇す ると、常磁性体となって磁石に吸着しなくなり、バネに引っ張られている磁石は、フ ェライトから離れてスイッチが自動的に切れることになります。

電気炊飯器には、その後、感温リードスイッチという、スイッチ機能をもつ温度セ ンサも使われるようになりましたが、これも磁石と感温フェライトを組み合わせた電 子部品です。この感温リードセンサとICとを組み合わせたのが、マイコン制御の電 気炊飯器です。単純に炊き上げるだけでなく、硬め柔らかめ、白米や玄米といった米 の種類、おこわやおかゆといった炊き方の違いなどに応じて、適切な加熱が行われる ようになりました。

「はじめチョロチョロ、なかパッパ…」と伝えられる炊飯の極意は、今や電気炊飯 器に受け継がれ、水加減さえ間違えなければ、誰でも理想のカマド炊きに近いおいし いご飯が炊けるようになりました。これを可能にしているのは、絶妙な熱加減のタイ ミングを逃さない磁石と感温フェライトによる忍法のような連携プレーです。

炊飯器の自動スイッチの原理

図3 炊飯器の自動スイッチの原理

BACK(4)


ページtop
HOME 電気と磁気の?(はてな)館 アースサイエンス&TDKテクノロジー テクの雑学 コンデンサ・ワールド
Copyright(c) 1996-2014 TDK Corporation. All rights reserved.
※記事の内容は、記事掲載時点での情報に基づいたものです。一部、現在TDKで扱っていない製品情報等も含まれております。
TDKホームページは、Internet Explorer5.5以降、Netscape Navigator7.0以降でご覧いただくことを推奨しています。