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磁気と生体

第6回「植物と磁気」

-植物の成長促進にも関係、磁気は生命を活性化?-

■励ましに応え、情報交換をする植物

 植物には感覚がなく、動物のような自発的な運動をしないという固定観念が根強く残っている。このため植物の電磁気的現象の研究も、動物にくらべて大きく立ち遅れているのが現状である。しかし、植物には外部からの刺激を内部に伝えて対応するばかりでなく、何らかの方法によって仲間と情報交換を行っているとしか考えられない現象がごくふつうにみられる。

 ネムノキは昼間は葉を開き、夜は葉を閉じるという睡眠運動をすることにその名の由来があり、同じマメ科のオジギソウなどは、指先で触れただけで、葉を縮めてうなだれる顕著な傾性運動を示す。オジギソウの葉の基部には、運動細胞が集まった葉枕と呼ばれる部分がある。ナイフで傷つけたり、火で焼いたりすると、その刺激の影響は他の葉にまでおよぶ。刺激が活動電位となって伝播し、まるで筋肉運動のような動きをするのである。

 鉢植えの植物に、毎日の水やりのときに声をかけてやると成長がよくなるという実験報告もある。雪をかぶってしなだれている杉苗に、励ましながら雪をはらってやると、実際、すくすく伸びるものだと林業関係者らはいう。成長に有利な刺激が加わったとか、あるいは成長を阻害する要因が除去されたという理由だけでは説明しきれない何かがありそうなのである。



■磁気の作用で農作物の栽培促進

 磁石を土に挿しておくと、根の発育がよくなるという実験的事実は古くから知られている。そこで農作物の栽培促進に磁気を積極的に利用しようという研究も、世界各地で真剣に取り組まれている。

 大阪府立農業試験センターでは、ミカン、ブドウ、ビワなどの果実を対象とした磁気利用の実験が続けられている。別に大がかりな装置や施設がいるわけではない。果実が成熟する1〜2か月前、果実近くの小枝に肩こり用に市販されている磁石つき絆創膏を1個から数個貼り付けておき、収穫後に糖分を比較するという実験である。しかし、その結果はといえば、驚くべきものがある。ミカンで約1%、ビワで約2%、ブドウでは約5〜7%も糖度がアップ、実際に味わっても甘くておいしいうえ、ミカンは色つやなどの見た目もよくなったという。

 だからといって、磁気が人の美容や健康にも効果があると結論づけるのは短絡的である。実際、磁気が直接に糖度や色つやを向上させたというよりも、磁気の作用が成長を促進させた結果と考えたほうがよいという専門家もいる。種子段階での磁気による成長促進に関しては、内外で詳しい実験が行われている。トウモロコシやインゲンなどについては、種子をまく前に磁界を加えてやると、著しい成長を示すことが学会でも報告されている。



■磁気が原子を励起させ、ホルモンや酵素が活性化

 磁気の作用が植物の成長促進に効果があるのは、オーキシンなどの成長ホルモンを活性化させるからだという説も出されている。オーキシンは数ある植物ホルモンのうちの一種で、植物の屈光性や屈地性に関与することが分かっている。よく知られるヒマワリの花の首振り(転頭運動)もまた、茎におけるオーキシンの生産と分解に関係する。ただし、いつも花が太陽へ向くというのは俗説で、確かに成長がさかんなつぼみの段階では、転頭運動もみられるが、開花後はほぼ南向きで動かなくなる。また、この転頭運動はほかの花にも見られ、ヒマワリにかぎったことではない。

 受粉・受精しためしべの子房には、オーキシンが増加することから、オーキシンは結実にも大きな役割を果たしていることも知られている。オーキシンなどのホルモンや各種の酵素は、代謝に関わる重要な物質である。こうした物質を構成する原子の状態が、外部の何らかのエネルギーによって励起されると、代謝などの反応が起こりやすくなる。これを活性化という。光のエネルギーによってホルモンや酵素が活性化するように、磁気も同じ作用をしているとも考えられるのである。



■植物でさえ磁気が影響、まして人間にいたっては・・・

 磁気による植物の成長促進については、マスコミなどでもたびたび紹介されている。もし初耳ならばにわかに信じられない向きもあろうが、専門家や農業関係者にとっては周知の事実で、あれこれ疑問視すること自体がもはや机上の空論となりつつある。磁石の強い磁気ばかりでなく、微弱な地磁気に対してさえ植物は感受性があることも確認されている。いわんや人間においてをやである。

 コンクリートや鉄構物で囲まれて暮らす現代生活においては、ただでさえ減少傾向にある地磁気が遮断され、人体は極端に磁気不足の環境にある。これが肩こりや腰痛、またさまざまなストレスを生み出す一因にもなっていると指摘されているのだ。そこで、この地磁気不足を補うとともに、血液中のイオンに働きかけて、血行をよくしようというのが、磁気ネックレスや磁気ブレスレットである。その効果は医学的・統計的にも証明されているのだが、頭で納得するだけでなく、実際に着用してみなければ効果は得られない。これはいたって当然のことなのだが、多くの人間はそれに気づかない。

 人間というものはさまざまな錯覚に陥っているもので、健康に注意していると思い込んでいるだけで、実際は心身を酷使していることがよくある。コンピュータ社会はますますソフト重視に進んでいるが、ここにも大きな落とし穴がある。コンピュータ社会は人間にもコンピュータ同様の能力を求めはじめている。しかし、そのスピードにどうにか頭はついていけても、身体はついていけないから、心身のバランスが崩れ、知らず知らずにストレスがたまる。しかもコンピュータならばハードがモデルチェンジしても、ソフトは互換性があるから保たれる。だが、人間だれしも自分の身体はひとつきり、機械のように使い捨てるわけにはいかない。この単純な事実を人間はつい忘れてしまう。ハードである自分の身体の健康に注意を向けずに、頭さえしっかりしていれば大丈夫と錯覚しているのが多忙な現代人の姿である。コンピュータはソフトがなければただの箱であり、人間はハードを損ねればソフトもろともおしまいになるしかないのである。重ねていえば、磁気の効果を信じたり疑ったりするのは頭だが、それを実際に評価できるのは身体だけなのである。


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