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自動運転を実現するロボットカーとセンシング技術

自動運転を実現するロボットカーとセンシング技術

Vol.2自動運転を実現するロボットカーとセンシング技術

人、モノ、情報がネットワークでつながるのがクラウド社会。ITS(高度道路交通システム)やテレマティクスの進展とともに、今や自動車や道路までもがネットワーク化されるようになり、さらにはロボットカーによる自動運転(オートパイロット)システムの開発も世界的に急ピッチで進められています。安全・快適な自動運転を実現するキーテクノロジーの1つが、自車位置や周辺情報を正確に把握するためのセンシング技術。人間の五感にかわる高感度・高性能の各種センサは、情報処理技術や人工知能(AI)とともに、これからのロボットカーに不可欠となっています。

走るオフィス、走るラウンジを実現する近未来のロボットカー

ロボットカーは運転操作が必要ないという利便性だけがメリットなわけではありません。交通事故による死者は世界全体で年間100万人を超えています。その約半数は、歩行者および自転車・バイクに乗っていた人たちで、事故原因の多くがヒューマンエラーによるものです。周辺状況をたえず監視しながら走行する自動運転システムは、ドライバーの見落としや思い込み、運転操作の過信といったヒューマンエラーを防止できるため、交通事故を大幅低減できると期待されているのです。

ロボットカーの実現に向けて大きく貢献しているのは、センシング技術と情報処理技術の進歩です。すでに、先行車との車間距離を一定に保ちながら走行するACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)、衝突を回避する自動ブレーキシステム、車線逸脱を防止するレールキーピングアシストなど、部分的ながら自動運転に近い機能を搭載した自動車も登場しています。

現在、ロボットカーは公道での実験走行が行われるレベルにまで達していて、2020年代の後半での実用化が目指されています。近未来の自動車は走るオフィスや走るラウンジとなり、また、自動運転トラックなども実用化されていくと、モータリゼーションや物流などを大きく変えることになるでしょう。

自動車運転システムの技術レベルと実用化に向けたロードマップ

ロボットカーの高度な「眼」となるレーザーレーダー

自動車には、駆動系、ボディ系、安全系、情報通信系などに分類される多種多様なセンサが搭載されています。事故を防止する周辺監視センサとしては、ミリ波レーダー、赤外線レーダー、カメラなどが利用されています。電波を利用したミリ波レーダーは、遠方の対象物まで識別でき、夜間、降雨、霧などの影響を受けにくいのが長所ですが、分解能が低いという短所があります。分解能は波長によって決まります。そこで、電波より波長が短い赤外線レーダーも利用されています。ところが、赤外線レーダーは分解能にすぐれるものの、識別範囲は比較的近距離にかぎられ、悪天候に弱いという短所があります。いずれも一長一短なので、複数のセンサを組み合わせた周辺監視システムが採用されています。

自動運転するロボットカーにおいては、自車位置と周辺情報の正確な把握が不可欠です。つまり、今まで以上に高度な「眼」が求められます。その1つが、ライダー(LIDAR)などとも呼ばれるレーザーレーダーです。原理は構造物の測量などに使われる3Dレーザースキャナなどと同じもので、レーザー光で対象物をスキャンし、対象物の方向と距離を計測します。ロボットカーではルーフなどに設置し、周辺360°および垂直方向をスキャンし、得られた点群データをコンピュータ処理して周辺の3Dマップをリアルタイムで作成し、GPSの位置情報や地図データなど照合しながら自動走行します。

このように、もはやロボットカーは夢の存在ではなくなっていますが、課題も残されています。公道上の走行においては、災害や気象異変など、想定外の状況に直面することがあるからです。このため、臨機応変に対処できる人工知能(AI)の開発が待たれています。

ポリゴンミラーを用いた3Dレザースキャナの基本原理
レザーレーダーによる自動車の周辺管理システム

省エネ走行に貢献するTDKのTMR角度センサ

近年の自動車の燃費向上にも、センシング技術が大きく貢献しています。自動車の4サイクルエンジンは、燃料と空気の混合気を吸気・圧縮して、ピストンが上死点に達したとき、点火プラグの火花により混合気を燃焼・膨張させてピストンを押し下げます。その最適なタイミングと燃料噴射量をエンジンECU(電子制御ユニット)で算出するための情報を得るセンサとして、クランク角センサが使われます。ただし、多気筒エンジンでは、クランク角だけでは、それぞれの気筒のバルブの開閉状態を知ることはできません。そこで、バルブを開閉させるカムの回転軸にギアパルサーとカム角センサを取り付け、その信号もあわせて利用します。

自動車エンジンのクランク角センサとカム角センサの役割

クランク角センサやカム角センサとしては、いろいろな方式がありますが、摩耗や塵埃などの影響を受けにくいため、非接触式の磁気センサが主流となっています。クランク軸やカム軸に磁性体を用いた歯車状のギアパルサー(パルサーロータ)を取り付け、それにバイアス磁石で磁界を加えた磁気センサを非接触で対向させます。エンジンが始動してギアパルサーが回転すると、ギアの歯の凹凸によって磁石からの磁束密度が周期的に変化するので、これを磁気センサがパルス信号として取り出し、回転速度や角度を検出します。このため、ギアトゥースセンサなどとも呼ばれます。

HDDヘッドの製造で培った先進の薄膜技術を応用展開して開発したのが、TDKのTMR角度センサ。従来のセンサとくらべて、きわめて高感度・高出力なのが特長で、クランク角センサやカム角センサほか、EVやHEVの駆動モータやEPS(電動パワーステアリング)用モータなどにも利用できる先進の角度センサです。

TDKのTMR角度センサ

TDKでは、素材技術をはじめとするコアテクノロジーを駆使して、TMR角度センサほか、水温センサや油温センサなどに使われるNTC温度計測センサ電流センサ圧力センサなど、さまざまな車載用センサを提供しています。これらのセンサは自動車ばかりでなく、産業機器をはじめとするメカトロニクス機器にも最適です。

登場人物紹介
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※記事の内容は、記事掲載時点での情報に基づいたものです。一部、現在TDKで扱っていない製品情報等も含まれております。

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