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テクの雑学

第159回 写真の「奥行き」を測る、距離画像センサの技術

 マイクロソフトから昨年末に発売された、ゲーム機をハンズフリーで、モーションで操作できる「Kinect」が話題となっています。こうした機能を実現するためには、カメラの前で動く人の動きを、立体的に捉える必要があります。
 そのために必要な技術は、大きく二つあります。一つは、カメラの前にあるものを「映像」ではなく、「奥行き」も含めた3次元の情報としてデジタルに記録する技術と、もう一つは、見えている3次元の情報を、骨や関節などのある人体の動作としてデジタルに記録する「モーションキャプチャ」の技術です。

 今回のテクの雑学ではそのうちの、カメラから取り込んだ映像を奥行きある立体として記録するための、「距離画像センサ」の技術について紹介します。

写真を撮るということは?
 距離画像センサの仕組みについて見ていくまえに、「写真を撮るとはどういうことか」をおさらいしておきましょう。

 「カメラで対象を撮影する」ということは、対象にあたって反射する光を、カメラのセンサで検知して、その信号を記録するということです。デジタルカメラの場合、CCDという光を感知するセンサで、強さと波長を検知し、記録しています。波長とは色ですから、つまり、明るさと色を感知し、記録しているのです。

 しかし、普通のデジタルカメラでは、光の明るさと色を感知していても、その光が反射した点までの距離は測定していません。したがって、写真の「奥行き」は分からないため、2次元の平面の写真になるのです。


 ちなみに、最近話題の3Dカメラは、微妙にズレている右目から見えている画像と左目から見えている画像をそれぞれの目に見せることで、3次元に「見せる」仕組みであって、実際に写真の奥行きがデータとして記録されているわけではありません。

参考情報
テクの雑学 第133回 家庭にもいよいよ進出! 進化する3D映像の世界

「光の到達速度」で距離を測るTOF方式
 距離画像センサで最もよく使われる方式が、「TOF方式」です。TOFとは、Time Of Flightの頭文字をとったもので、投射したレーザーが対象まで往復するのにかかる時間から、距離を計測します。

 光の速度は「1秒間に地球を7回半回る」速度、つまり秒速30万キロメートルで進みます。つまり光は、1ナノ秒(10億分の1秒)に30cm進むことになります。すなわち、センサとターゲットの間の距離が15cm(往復30cm)変化したときに、光を送ってから反射光を受信するまでの時間が、1ナノ秒変化することになります。

 時間の測定には、光の「位相差」を使います。位相とは、波などの周期的な現象で、その周期の中の位置を表す量です。光は横波なので、波長に応じた周波数すなわち周期をもっているので、時間のズレは位相のズレで測ることができるのです。位相差を時間差に変換して、光の速度をかけることで、対象までの距離を求めるのがTOF方式の原理です。


 通常の2次元の写真と、距離画像のデータを合わせることで、対象を立体的に「撮影」することができます。動きを検知するためには、光を点滅させ(パルス)、短い時間間隔で距離を測定することで、動きを推定します。
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