雷といえばまず思いつくのが停電です。完全に電気が消えて真っ暗になってしまう停電は、昔に比べると滅多に起こらなくなりましたが、ごく短時間、電圧が下がって電気の供給が切れる「瞬停」という現象は、意外と頻繁に発生しています。「カチッ」という音がして蛍光灯が点滅する現象に心当りがある方も多いのではないでしょうか。
家庭用電器製品なら一時的に電源が切れても大した損害にはなりませんが、パソコンなどの情報機器では命取りになることがあります。作業中のデータが消えたり、運悪くハードディスクのアクセス中に瞬停が来ると、ディスクを破損し、最悪の場合はパソコンが起動しなくなることもあります。
簡単にできる停電対策が、UPS(無停電電源装置)の導入です。UPSは、コンセントとパソコンの間にはさんで接続することで、停電時にはあらかじめ充電しておいた蓄電池から、パソコンに数分間給電します。瞬停であれば、UPSの蓄電池が残っているうちにコンセントからの給電が再開されるのでそのままパソコンが使用できますし、しばらく停電が続くようなら、UPSからの給電が続いている間に通常の手順でデータを保存しパソコンの電源を切ることで、損害を防ぐのです。
UPSを選ぶ時のポイントは、給電容量、バックアップ時間、給電方式の3点です。給電容量は、接続したいパソコンやディスプレイのカタログに記載されている消費電力(W)を元に計算します。UPSのカタログには、給電容量としてVA(ボルトアンペア)単位の数値が記載されています。ワット単位の消費電力と、ボルトアンペア単位の給電容量の間には、
消費電力(W・ワット)=給電容量(VA・ボルトアンペア)×力率
という関係があります。力率とは、電気の利用効率のことで、実際には0.7程度の数値となります。したがって、UPSに必要な給電容量を求める式は、以下のようになります。
給電容量(VA・ボルトアンペア)=消費電力(W・ワット)÷ 0.7
実際には、バッテリーの劣化による給電容量の低下なども見込んで、この計算式で算出した数値の2倍程度の給電容量のものを選ぶのが安心です。
バックアップ時間は、UPSのカタログに記載されています。同じ消費電力の機器を接続した場合、給電容量の大きなUPSほどバックアップ時間は長くなりますが、当然価格も高くなります。自分のパソコンを安全にシャットダウンするための作業時間を考慮して選びます。
給電方式には、常時商用給電方式、ラインインタラクティブ給電方式、インバーター給電方式の3種類に分けられます。常時商用給電方式は、通常時はコンセントからの電力をそのままパソコンに出力しており、停電時にはバッテリーに切り替える方式であるのに対し、ラインインタラクティブ給電方式とインバーター給電方式は、通常時にもバッテリーとインバーター回路を通してパソコンに電力を出力する方式です。家庭用のパソコンの停電対策であれば、比較的安価な常時商用給電方式でも十分実用的です。
家庭用のパソコンを数台接続する程度のUPSであれば、数万円程度で導入できます。大切なパソコンやデータを停電から守るために、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
しかし、雷の怖さは、停電だけではありません。もう一つの脅威が、「過電流」であり、これはUPSだけでは防げないのです。
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