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 トップページ電気と磁気の?(はてな)館 > No.67 電子回路のインピーダンス・マッチングとは?
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電子回路のインピーダンス・マッチングとは?

インピーダンスの不整合はノイズや出力低下をもたらす
 超音波診断では探触子(プローブ)を腹部などにあてるとき、ゼリー状の物質を皮膚に塗りつけます。空気の音響インピーダンスは生体組織とくらべてはるかに小さいため、プローブと皮膚の間に空気が介在すると超音波は内部に入り込めず、皮膚表面で反射されてしまいます。そこで、生体の音響インピーダンスに近いゼリー状の物質を塗り、空気を排除することにより、超音波が生体内に入り込みやすくしているのです。このゼリー状物質は、カップリング剤あるいはインピーダンス・マッチング(整合)剤などと呼ばれています。
 電子回路のインピーダンス・マッチングも、これと似た考え方によるものです。回路と回路を伝送路で結ぶとき、回路のインピーダンスが異なると、信号電流の一部が反射されてノイズとなったり、出力が低下したりします。この不整合を解消するのがインピーダンス・マッチングです。
 そもそもインピーダンスとは電気用語で、交流回路における電気抵抗成分を意味します。直流回路における電気抵抗はレジスタンス(R)といいますが、交流回路ではレジスタンスに加えて、インダクタ(コイル)やコンデンサも抵抗成分として作用するため、これらをまとめてインピーダンス(Z)と表します。
 インダクタ(コイル)とコンデンサは相反する性質をもっています。インダクタは直流をスムーズに流しますが、交流に対してはブレーキをかけるように作用します。逆に、コンデンサは直流を遮断しますが交流は流します。また、こうした性質は周波数が高くなるほど顕著になるため、MHz、GHzといった高周波領域では、回路図にはないインダクタ成分(寄生インダクタンス)やコンデンサ成分(寄生キャパシタンス)も無視できなくなってきます。たとえば、まっすぐな配線さえインダクタとして作用し、また、配線間や配線-グランド間などもコンデンサとして作用するようになるのです。したがって、交流とくに高周波においては、伝送路がもつインピーダンスが回路特性に大きな影響を与えるようになります。これを特性インピーダンスといいます。




高周波回路ではインピーダンス・マッチングが重要
 段差などをなくしたバリアフリーの住宅は、部屋から部屋へスムーズに移動できるように、ドライバ回路の出力インピーダンスとレシーバ回路の入力インピーダンス、それらを結ぶ伝送路の特性インピーダンスがそろっていると、信号は反射することなくスムーズに流れ、出力も最大になります。しかし、現実にはそれぞれのインピーダンスには差があるため、伝送路にインピーダンス・マッチング回路を挿入して、インピーダンスをそろえます。
 インピーダンス・マッチングにはトランスなども使われますが、簡便で効果的なのはインダクタ(L)とコンデンサ(C)を組み合わせたLC回路の挿入です。これはLCフィルタの1種で、ある周波数帯を抵抗成分として作用させることで、適切なインピーダンス・マッチングを図るのです。
 高周波回路においては、回路図には現れないインダクタ成分(寄生インダクタンス)やコンデンサ成分(寄生キャパシタンス)の対策も必要になります。ここにも、インダクタとコンデンサの相反する性質がたくみに利用されます。寄生インダクタンスにはコンデンサを直列挿入、寄生キャパシタンスにはインダクタを直列挿入して除去します。
 電子回路というのは、突き詰めていえばインピーダンスのネットワーク。電子回路のインピーダンスは、電子部品の周波数特性や配置、配線パターン、部材の材質なども複雑に絡んでくるため、設計にあたってはネットワーク・アナライザという測定器も援用されています。
 微弱な信号を取り扱う携帯電話やスマートフォンなどの高周波回路では、インピーダンス・マッチングはきわめて重要です。TDKでは積層インダクタや積層セラミックチップコンデンサ、先進の薄膜工法による薄膜コンデンサなど、すぐれた特性のインピーダンス・マッチング用部品を提供しています。


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