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 トップページ電気と磁気の?(はてな)館 > No.13 エレクトロニクスを支える“めっき技術”
電気と磁気の?(はてな)館

エレクトロニクスを支える“めっき技術”

CD、DVDの金型は電鋳によって製造される
 電気めっきは、かつての円盤レコードほか、CD-ROMやDVD-ROMを量産するときの金型の製造にも利用されています。この技術は電気鋳造を略して電鋳(でんちゅう。electroforming)と呼ばれます。
 エジソンが発明した蓄音機は、回転する円筒ロウ管(当初はスズ箔を巻いた円筒)を録音媒体とするもので、音声振動を針に伝えてロウ管に溝を彫り付けていました。この方式では1度にせいぜい10本程度のロウ管にしか録音できませんでしたが、金型成型による円盤レコードでは大量生産が可能になり、世界的なレコード文化が生まれたのです。
 円盤レコードの製造法はまずマスター盤の製作から始まります。音声の振動を電気的に増幅してカッターに伝え、ラッカーを塗った円盤レコードに溝を彫ってマスター盤(ラッカーマスター)をつくります。このマスター盤に電気めっきと同じ要領で金属めっきすると、マスター盤の凹凸とは逆の雌型ができます。この雌型を補強したものを金型とし、塩化ビニールなどの樹脂材料を成型したのが円盤レコードです。あたかもスタンプを押すように量産されるため、この金型はスタンパとも呼ばれます。
 CD-ROMやDVD-ROMには、0か1かを表すピットと呼ばれる微細な凹凸が刻まれていますが、これらのディスクの量産にもやはり電鋳によるスタンパが使われます。CDのトラック幅は1.67ミクロン(µm)、DVDのトラック幅は0.74ミクロンしかありません。電気めっきと同じ原理で溶液中の金属イオンを移動させ、物体表面に金属を析出させていく電鋳は、ナノメートルオーダーの微細な凹凸も再現できるため、高精度の金型をつくることができるのです。

電鋳によるスタンバと光ディスクの製造法

チップ部品の端子電極とめっき
 携帯電話をはじめとする電子機器のリサイクルは、環境保全とともに貴重な資源を再利用する目的があります。電子部品には高価な金がめっき材料として多用されているためです。重量あたりの含有量は金鉱石よりも多いので、経済的にも十分にリサイクルする価値はあるのです。
 主要電子部品の1つである積層セラミックチップコンデンサの内部電極材料としては、かつて貴金属であるパラジウムが多用されていました。積層セラミックチップコンデンサは、薄い内部電極と誘電体シートをサンドイッチ状に数100〜1000層も重ね、これをチップ状に切断してから焼成して製造されます。しかし、チタン酸バリウムを主成分とする高誘電率系のコンデンサは、1300℃前後の高温焼成が必要で、内部電極に通常の金属を使うと、酸化したり溶融したりしてしまいます。このため、酸化しにくく融点が高い貴金属のパラジウムが、高価ながらやむなく使われていたのです。この問題を解決したのが、1980〜1990年代に TDKが業界に先駆けて開発したNi(ニッケル)内部電極積層セラミックチップコンデンサです。電子機器には多数の積層セラミックチップコンデンサが使われるため、安価な卑金属が使えれば、コストダウンにつながり貴重資源の節約にもなるからです。

積層セラミックチップコンデンサの基本構造

チップ部品のマンハッタン現象

 積層セラミックチップコンデンサなどのチップ部品の端子電極(外部電極)は、めっきによって形成されます。近年、電子機器から有害な鉛をなくすため、電子部品の基板への接合には、鉛フリーはんだが用いられるようになりました。しかし、はんだづけ性が悪いと、基板にマウントしたチップ部品がうまく接合せず、高層ビルのように立ち上がってしまうことがあります。これは“マンハッタン現象”と呼ばれます。そこで、接合性を向上させるため、端子電極のめっき材料や工法にも高度な技術が求められるようになりました。めっきは古くて新しい技術。めっき技術なくして、電子機器の小型化・高機能化も実現しません。

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