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 トップページ過去の読み物テクの図鑑 > vol.8 GHz帯のノイズを吸収 チップビーズ
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GHz帯のノイズを吸収 チップビーズ

円筒形のフェライトに信号線を貫通させると、高周波ノイズを吸収してくれる。
その姿が手芸のビーズに似ていることから、フェライトビーズとよばれるようになった。
この原理を発展させたのがチップビーズだ。MHz帯からGHz帯のノイズを効果的に抑制できる。


高周波ノイズ対策に威力
 チップビーズには、積層型のチップコンデンサやチップインダクタの積層技術が応用されている。チップ内部に電極がコイル状に形成され、ここを信号が通過するときに、高周波ノイズが吸収される仕組みである。構造的にインダクタとよく似ている。このため、チップビーズとインダクタは、ノイズ対策部品として何が違うのかと思われる人も多いだろう。インダクタはノイズを反射させるのに対して、チップビーズはノイズを吸収し、熱として放出する。ノイズを抑制するメカニズムが異なるのだ。

 インピーダンス周波数特性のグラフを見ていただきたい。交流での抵抗成分をあらわすインピーダンスは、100MHzから1000MHz(1GHz)にかけてもっとも高くなっている。このことからチップビーズは、高周波帯域のノイズ対策に効果的であることがわかる。またインピーダンス値は、内部電極の巻数に比例する。巻数が多いほど、フェライト内部を信号がまわり道して通過するから、より強力にノイズを吸収できるのだ。


インダクタとチップビーズの違い
インダクタとチップビーズの違い
インダクタはノイズを反射させ、チップビーズはノイズを吸収して熱に変える。
インピーダンス周波数特性
インピーダンス周波数特性
低い周波数帯域ではインダクタに近い働きをし、それより高い周波数帯域では抵抗として機能する。インピーダンスは、リアクタンス値Xと抵抗値Rを合成したものである。


低温焼結性フェライトを採用
チップビーズの構造
チップビーズの構造
電極を長手方向に巻く縦巻型の構造は、より多くの巻線が可能であり、高周波化にも適している。
 チップビーズのフェライトには、低温焼結性のニッケル系フェライトが使われる。なぜ低温焼結なのか。それは内部電極に銀を使用しているからである。銀の融点は比較的低く、通常のフェライトのように1000℃前後で焼成すると、銀が溶けてしまう。そのため低温で焼結するフェライトが必要なのだ。ニッケルのほかに添加物などを加え、これらの組成を制御することによって、チップビーズのノイズ吸収特性が決まる。

 TDKのチップビーズには、独特な構造をもったタイプがある。ギガスパイラという製品である。通常は、内部電極を横(高さ)方向に巻いていくが、縦(長手)方向に巻いたのがギガスパイラ。より多くの巻き線が可能であり、高周波化にも適している構造のため、高い周波数帯域までの高インピーダンス化がはかれる。小型化においては、0603(0.6×0.3mm)サイズに続いて、世界最小0402(0.4×0.2mm)サイズを開発。これが電子部品かと疑いたくなるほど、とにかく小さい。フェライト材料の微粒子化と均一分散がキーテクノロージーとなって実現できた製品だ。



回路ニーズに応える各種フェライト材
 デジタル機器の信号周波数は、1MHz〜数10MHzの高周波帯域へシフトしている。次世代携帯電話で使用されるのはGHz帯。ノイズ対策も、より高周波領域での対応が求められているのだ。こうした回路ニーズに対して、TDKは豊富なフェライト材料を開発している。たとえばS材だが、40〜300MHz付近ですぐれた効果を発揮する。Y材なら80〜400MHz、D材なら200〜500MHz、F材なら600MHz〜1GHzというように、ノイズを除去したい帯域に合わせて、もっとも効果的なチップビーズを選択できるのである。4素子分を1チップ化したアレイタイプも製品化。回路の省スペース化とともに、基板実装費の削減という点でも貢献する。

 このような豊富なラインアップを展開している背景。それは第一に、フェライトはTDKが生み、育ててきたTDK直系の電子部品材料であること、そして材料メーカーとしての高度な組成技術、微粒子化・分散化技術、高精度積層技術、異素材同時焼成技術などによる。特定の周波数領域の高周波ノイズを、狙い撃ちできるチップビーズ。次のターゲットは、いっそうの高周波化、小型化、高インピーダンス化だという。

材質別ノイズ抑制効果
材質別ノイズ抑制効果
除去したいノイズの帯域に合わせて、最適な特性の材質を選ぶことができる。



チップビーズ
チップビーズ

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