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なるほどノイズ(EMC)入門2

電波暗室とEMC対策 
電波エンジニアリングと次世代の電波暗室

 周辺に電磁ノイズの影響を及ぼさず、自らも周辺からの電磁ノイズの影響を受けないEMC対策が、電気・電子機器の設計・開発段階から強く求められるようになっています。 EMC測定にはすぐれたトレーサビリティや再現性をもつ高性能の電波暗室が何よりも重要です。
 いまや電波暗室は単なる測定ツールではなく、強力な開発ツールへと進化を遂げています。

ますます重要性を増している電波暗室
 私たちの身近には、電気・電子機器や無線機器、情報通信システムなど、多くの電磁波発生源が存在し、さまざまな電磁波を放射しています。これらの機器から発生する電磁波(または電磁ノイズ)は、周辺の機器に影響を及ぼす可能性があり、また、機器自体も周辺の機器から影響を受けます。ここにおいて、「外部に電磁ノイズを出さない」というエミッション問題(EMI:Electro Magnetic Interference)と、「外部からの電磁ノイズによって影響を受けない」というイミュニティ問題(EMS:Electro Magnetic Susceptibility)を両立させるのがEMC(Electro Magnetic Compatibility)対策。多種多様な電気・電子機器や無線機器、情報通信システムを共存させるために、周辺に影響を及ぼさず、自らも周辺から影響を受けないEMC対策が、さまざまな機器の製品設計・開発段階から強く求められています。
 電子機器から放射されている電磁ノイズの電界強度は、屋外のオープンサイト(OATS:Open Area Test Site)での測定が基準とされています。しかし、屋外の測定は風雨などの天候に左右されやすく、周囲から到来する電波の影響を受けやすいのが難点。また、イミュニティ試験ではきわめて強い電界が照射されるため、電波法などの関係により、屋外のOATSでは実施できません。そこで、電波暗室は、こうした測定・試験を高信頼性かつ効率的におこなう施設としてますます重要となっています。

OATS(屋外オープンサイト)

アンテナの基本原理

電波吸収体の主流はフェライト
 電波吸収材料は、磁性、誘電性および抵抗性吸収材料の3つに分類されます。磁性吸収材料の代表的なものには、フェライト焼結体(以降フェライト)、軟磁合金およびカルボニル鉄などを樹脂に複合化したものがあげられますが、EMC試験用電波暗室の壁面に適用されるのはフェライトが主流となっています。フェライトは、高周波の交流磁界に対して磁気損失(自然共鳴や磁壁共鳴など)を起こします。これを利用したのがフェライト電波吸収体。従来ではテレビ電波のような高周波の電波に対して、そのエネルギーをよく吸収して熱に変換させるため、高層ビルの壁面反射から生じるテレビゴースト障害を低減させる目的で使用されてきました。長年にわたり培った素材開発技術の深化により、フェライトはEMC試験用電波暗室の主力電波吸収体としてさらなる発展を遂げています。

高層ビルの壁面に施工されるフェライトタイル(電波吸収体)

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