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 トップページ過去の読み物なるほどノイズ(EMC)入門 > 第10回 ワンタッチ装着でノイズを抑止するクランプフィルタ
なるほどノイズ(EMC)入門

第10回 ワンタッチ装着でノイズを抑止するクランプフィルタ

静電気などのサージノイズ対策としても効果的
 クランプフィルタは前号でご説明したコモンモードフィルタの1種です。導線を伝わる電流の伝わり方には、ディファレンシャルモードとコモンモードの2タイプがあります。信号電流はディファレンシャルモードとして伝わるのに対して、デジタル機器から電磁波として放射され、ケーブルをアンテナとして侵入してくるノイズ電流の多くはコモンモードです。
 フェライトコアを用いたクランプフィルタは、見かけはサイズの大きなチップビーズのような構造をしています。ノイズ電流の周囲に同心円状に発生する磁界は、フェライトコアのトンネルを通過する際に吸収され、熱として除去されます。チップビーズはこの原理を利用して、ディファレンシャルモードのノイズ電流を吸収して熱として除去します。
 一方、クランプフィルタはディファレンシャルモードである信号電流を減衰させず、コモンモードのノイズ電流だけを抑止するのが特長。前号でご紹介した巻線タイプのコモンモードフィルタとくらべて、浮遊容量や電磁的な結合が無視できるほど小さいので、ディファレンシャルモード・インピーダンスは広域にわたって低く、信号に与える影響はほとんどありません。
 クランプフィルタにはフェライトならではの物性が最大限に利用されています。フェライトはふだんは磁気的な性質を表に出しませんが、外部から磁界が加わると、たちどころに目覚めて磁束を吸収する電子材料。TDKのクランプフィルタは先進の磁性材料技術を駆使、高周波ノイズだけを吸収して信号電流の波形を歪ませない最適フェライト材を使用しているため、約1GHzまで安定した周波数-インピーダンス特性を発揮するのです。TDKではケーブル外径に応じた各種タイプほか、ケーブル巻線固定タイプ(ケース内でケーブルを1巻きして固定)、フラットケーブルタイプなど、豊富な製品をシリーズ化しています。
 外来ノイズに対する瞬発力の鋭さと懐の深さがTDKのクランプフィルタの持ち味。放射ノイズ対策ばかりでなく、静電気などのサージノイズによる誤動作の防止にもきわめて効果的。高速大容量ネットワークの便利さ・快適さを強力にサポートする実に重宝なノイズ対策部品です。

クランプフィルタの構造 クランプフィルタの構造

クランプフィルタへのケーブルの巻き方

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