
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成23年6月29日)現在において判断した記載としております。
当社グループが事業展開しているエレクトロニクス業界は、最終製品の主たる消費地である米国、欧州、中国を主とするアジア及び日本の景気動向に大きく左右されます。さらに、それらの国または地域には、国際問題や経済の浮沈といった様々なリスク要因が常に存在しています。このような経営環境の変化が予想を超えた場合、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、世界各国で事業を展開しており、急激な外国為替レートの変動は、地域間の企業取引及び海外拠点における製品価格やサービスコストに影響し、売上高や損益等の業績に影響を与えます。また、海外における投資資産や負債価値は、財務諸表上で日本円に換算されるため、為替レートの変動は、換算差による影響が生じます。為替レートの変動に対する対策は講じておりますが、予想を超えた急激な外国為替レートの変動は、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、世界各国に事業展開し、連結ベースでの海外売上高比率は80%を超えています。
対象となる多くの市場では、戦争やテロといった国際政治に関わるリスク、為替変動や貿易不均衡といった経済に起因するリスク、文化や慣習の違いから生ずる労務問題や疾病といった社会的なリスクが、予想をはるかに超える水準で不意に発生する可能性があります。また、商習慣の違いにより、取引先との関係構築においても未知のリスクが潜んでいる可能性があります。こうしたリスクが顕在化した場合、生産活動の縮小や停止、販売活動の停滞等を余儀なくされ、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
特に当社グループは、経済発展が著しい中国に製造拠点を数多く有し、同国へ進出している得意先及び現地企業への供給体制を確立しております。同国にて政治的要因(法規制の動向等)、経済的要因(高成長の持続性、電力等インフラ整備の状況等)及び社会環境における予測し得ない事態が発生した場合、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、競争が激化しているエレクトロニクス業界において、デジタル家電製品やPC(パーソナルコンピュータ)・携帯電話といったIT・通信機器等、多岐にわたる分野で電子部品の製品展開を行っています。同業界においては、価格による差別化が競争優位を確保する主たる要因の一つであり、有力な日本企業や韓国、台湾等のアジア企業を交えた価格競争は熾烈を極めております。
市場からの価格引き下げの圧力はますます強まる傾向にあり、価格下落が当社グループの想定を大きく上まわり、かつ長期にわたった場合、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、価値ある新製品をタイムリーに世に送り出すことが企業収益向上に貢献し、今後も新製品開発が企業存続の鍵となるものと確信しています。また、魅力的で、革新的な新製品の開発による売上高の増加が、企業の成長にとって重要な役割を担っていると考えており、経営戦略の主題として取り組んでおります。しかしながら、変化の激しいエレクトロニクス業界の将来の需要を予測し、常に業界及び市場において、技術革新による魅力的な新製品をタイムリーに開発、供給し続けることができるとは限りません。このような場合は、販売機会喪失による売上・利益の減少に繋がり、将来市場のみならず既存市場さえも失う可能性もあり、業績及び成長見通しに大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国内外生産拠点において、ISO(International Organization for Standardization 国際標準化機構)の品質管理標準(ISO9001)や技術革新著しいエレクトロニクス業界の顧客が求める厳しい基準に従い、多様な製品の品質管理を行っております。
しかしながら、予想し得ない品質上の欠陥(規制物質含有を含む)や、それに起因するリコールが発生し得ないとは限りません。当社製品のリコールや製造物責任の追及がなされた場合、回収コストや賠償費用の発生、また販売量が減少する恐れがあります。さらに当社ブランドを冠した商品の品質上の欠陥によりブランドの信用が失墜し、企業としての存続を危うくする事態を招くことも想定されます。このように、重大な品質問題が発生した場合、業績に大きな影響を及ぼす恐れがあります。
当社グループは、当社製品の機能、デザイン及び製法等に関する特許、ライセンス及び他の知的財産権(以下、総称で“知的財産権”)が、成長を大きく左右すると考えており、知的財産権の管理及びその取得に努めております。
しかしながら、特定の地域では、固有の事由によって当社グループの知的財産権が完全に保護されない場合があり、第三者が知的財産を無断使用して類似した製品を製造することによって損害を受けることもあります。
一方では、当社グループの製品が第三者の知的財産権を侵害しているとの主張を受ける可能性もあります。当社グループが侵害したとして訴えられた場合、和解交渉や訴訟活動が必要であり、これらの係争において、主張が認められなかった場合には、損害賠償やロイヤリティの支払、市場を失う等の損失が発生する恐れがあります。
このように、知的財産権について重大な係争問題が発生した場合には、事業展開、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、エレクトロニクス業界における熾烈な競争を勝ち抜くため、グローバルで高度な専門技術に精通した人材の確保と育成を着実に行う必要があると考えており、加えて経営戦略や組織運営といったマネジメント能力に優れた人材についても、一段と高いレベルで充実させる努力もしております。
しかしながら、グローバルで優秀な人材を獲得するための競争は非常に厳しく、また、日本国内においては、少子高齢化や労働人口の減少等、また中国等の海外拠点においても、雇用環境の変化が急速に進んでおり、常に適切な人材を確保できる保証はありません。このように、人材獲得や育成が計画通りに進まなかった場合、長期的視点から、事業展開、業績及び成長見通しに大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、原材料等を複数の外部供給者から購入し、適時、適量の確保を前提とした生産体制をとっております。しかしながら、主要原材料は代替困難な限られた供給者に依存する場合があります。そのため、供給者の被災及び事故等による原材料等の供給中断、品質不良等による供給停止、さらに製品需要の急増による供給不足等が発生する可能性があります。それらが長期にわたった場合、生産体制に影響を及ぼし、顧客への供給責任を果たせなくなる可能性があります。市場における需給バランスが崩れた場合、原材料価格の急激な高騰や原油をはじめとする燃料価格の高騰による製造コストの増大が想定され、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業展開している国内外において、事業や投資に関する許認可、電気及び電気製品の安全性、国家間の安全保障及び輸出入関連、また、商行為、反トラスト、特許、製造物責任、環境、消費者及び税金に関連する法規制等、様々な規制下に置かれ遵守を求められております。
将来において、さらなる規制強化が進み、当社の事業展開に大きな影響が及ぼされた場合、様々な費用負担増をもたらすとともに、その規制に適応し得ない事態になった場合には当該ビジネスからの部分的撤退等の可能性も想定されます。
このように、政府機関による様々な規制強化が、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは金利変動リスクを抱える金融資産・負債を保有しており対策を講じておりますが、想定を超えた金利の変動は受取利息・支払利息あるいは金融資産の価値に影響を与え、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、主に、多様なエレクトロニクスメーカーやパソコンメーカー等の顧客に電子部品を供給するB to B(企業間取引)をグローバルに展開しております。
これらの顧客への供給は、それぞれの顧客の業績及び経営戦略の転換等、当社グループが介入し得ない様々な要因によって大きな影響を受けたり、主要な顧客の業績低迷による購買需要の減退や顧客の調達方針の変更による納入価格の引き下げ圧力、契約の予期せぬ終了等により在庫過多や収益性の悪化に陥る可能性があります。
また、国内外での異業種や競合企業による顧客企業のM&Aにより企業再編が行われた場合、当社の販売に大きな影響を与える可能性もあります。特に、主要売上を依存した特定顧客が競合他社等により買収された場合、注文が著しく減少もしくは取引すべてが消滅する可能性があります。
このように、顧客の経営成績や経営戦略の転換等により、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国内外において多数の製造工場や研究開発施設を有しております。各事業所では、不慮の自然災害や感染症発生等に対する防災、防疫対策を施しておりますが、BCP(事業継続計画)の想定をはるかに超えた大規模な地震や津波、台風や洪水、火山の噴火等の不可避な自然災害及び新型インフルエンザ等の未知の感染症によって大きな被害を受ける可能性があります。その影響を受け、製造中断、輸送ルート寸断、情報通信インフラの損壊、途絶及び中枢機能の障害もしくは顧客自身に大きな被害が生じた場合にも、受注や供給が長期間にわたって滞り、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国内外において製造過程で生じる各種廃棄物や大気中または水中への排出物、製品に含有する特定の有害な化学物質等について、様々な法律による環境規制を受けております。また地球環境保全の見地から、今後ますます環境規制の強化が進むことにより、適応するための費用が増大する可能性もあります。
法律による環境規制を遵守し、様々な環境保全活動を推進してきましたが、環境規制への適応が対応能力を超えた場合の当該ビジネスからの部分撤退や対応の遅れなどにより信頼が損なわれた場合、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、競争が激化しているエレクトロニクス分野において、より高い競争力と収益力を追求する事業体に発展させるためにM&Aを進めております。しかしながら、当社グループの経営方針や経営戦略がM&A対象会社に十分浸透しない等の理由により、当初期待したシナジー効果による収益性の改善が得られない場合には、業績や成長見通し及び事業展開等に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業を展開する上で、顧客及び取引先の機密情報や個人情報、また、当社グループの機密情報や個人情報を有しています。これらの情報は、外部流出や改ざん等が無いように、グループ全体で管理体制を構築し、徹底した管理とITセキュリティ、施設セキュリティの強化、従業員教育等の施策を実行しています。しかしながら、過失や盗難等によりこれらの情報が流出もしくは改ざんされる可能性があります。
万一、このような事態が生じた場合には、信用低下や被害を受けた方への損害賠償等の多額の費用が発生し、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
平成23年3月に発生した東日本大震災により、当社グループにおいても地震による設備・建物等の毀損や停電による稼動減といった直接的な被害を受けました。現在、被害を受けた拠点はすべて復旧し、また、国内全拠点において、BCP(事業継続計画)の再検証と夏季電力抑制を想定した対策を進めておりますが、想定以上の電力抑制や大規模停電等が発生した場合、生産活動(操業度低下や停止)や販売活動(受注回復の遅れ等)に影響を受ける可能性があります。