CSR活動 | お取引先様に対する責任

紛争鉱物(コンフリクトミネラルズ)への対応

コンゴ民主共和国(Democratic Republic of the Congo:以下、DRC)および隣接国産の鉱物は、武装勢力の資金源となることがあり、紛争の助長や地域住民に対する人権侵害が社会問題となっています。
TDKでは、米国金融規制改革法が成立した2010年より紛争鉱物対策を開始し、最終規則および業界動向を注視しつつ、具体的な対応に向けた下地づくりを進めてきました。2012年8月に採択された最終規則および業界動向を踏まえ、体制・役割および調査方法の見直しを進め、OECDデュー・ディリジェンス・ガイダンスに沿った取り組みを行っています。

方針と体制

TDKでは、2013年4月に、TDKグループの「紛争鉱物」に関するポリシーを制定し、以下を基本スタンスとしています。

  1. DRCおよび隣接国の「武装勢力の資金源となる鉱物」を直接および間接的に購入しない。明らかになった場合は、排除に向けた取り組みを行う
  2. サプライチェーン全体での調査を合理的に実施する
  3. 業界団体と連携し、共通の課題解決に取り組む

また、同年4月には社内説明会を実施。お取引先様への調査を本社資材機能、お客様への回答を本社品質保証機能がそれぞれ主管するとともに、各ビジネスグループに責任者および担当者を設ける体制とし、各機能の役割を明確にしました。

具体的な取り組みと課題

社内外への啓発

TDKグループの「紛争鉱物」に関するポリシーを、自社グループ内やお取引先様に周知しています。また、紛争鉱物問題に取り組む意義の理解を促進するため2013年4月に開催した社内説明会に、アムネスティ・インターナショナル日本(当時)の谷口玲子氏をお迎えし、DRCの人権状況について講演していただきました。講演内容の概要は、「TDK CSRレポート2013」にも掲載し、社内外への啓発を行いました。

お取引先様への紛争鉱物調査を実施

TDKでは、2010年9月より、お取引先様への紛争鉱物調査を実施してきましたが、多くのお客様からの要望を受け、2011年3月に製錬所の特定を含めた調査をあらためて実施しました。
2011年7月にCFSI※1から公表された紛争鉱物報告テンプレート(Conflict Minerals Reporting Template:以下、CMRT)が、実質的な調査様式のスタンダードとなったことから、調査の合理性を担保するため、CMRTを使用した調査に変更しました。変更にあたっては、お取引先様へ事前に説明の上、ご協力をお願いするとともに、2013年6月より調査を実施しています。 調査にあたっては、精度を高めるため、購入実績と購入品の対象4鉱物(タンタル、すず、タングステン、金)の含有可能性を勘案し、可能な限り調査対象の品目を指定した上で、お取引先様への調査をお願いしています。
2015年度は、前年度に引き続き、新規購入品に関する調査を定期的に実施するとともに、過去の調査で製錬所が現時点で特定できていない品目については、再調査を実施しました。2013年度の調査より対象となった15,754品目のうち、86%※2でDRCおよび隣接国の紛争に関与していないこと(DRC Conflict-Free)を確認しました。また、現時点では、DRCおよび隣接国の武装勢力の資金源への関与が疑われる鉱物は確認されていません。いただいた回答は、社内データベースに登録し、お客様への迅速な回答作成に活用しています。

  • ※1 EICC(電子業界行動規範)とGeSI(グローバル・eサステナビリティ・イニシアティブ)が設けた紛争鉱物問題に取り組む組織
  • ※2 対象は、TDK株式会社と取引のあるお取引先様です。

お客様への回答

お客様からの紛争鉱物に関する問い合わせの急増を受け、回答体制を整備し、2013年7月から運用を開始しました。
グループウェアを見直して営業部門における受付から事業部門における回答までを一元管理し、迅速かつ正確に回答する体制をとっています。
2015年度は、前年度比16件増の2,505件の問い合わせに回答しました。

課題

CFSIの紛争鉱物調査のフレームワークでは、製錬所のDRC Conflict-Free認定を前提として、製錬所の特定が重要となっています。しかしながら、DRC Conflict-Freeを確認できていない品目のうち、特にサプライチェーンの階層の長い品目については、多様な電子部品の製品群が部品メーカー間でバイヤーかつサプライヤーの関係になることがあり、サプライチェーンの構造が複雑になることから、製錬所情報の不完全なものが多く見受けられ、製錬所を完全に特定することが難しい状況です。
また、製錬所のDRC Conflict-Free認定を受けた製錬所が、216カ所(2016年5月24日現在)と、昨年より増加しましたが限られていることもあり、当社製品のうちDRC Conflict-Freeであることを確認できた製品群は、サプライチェーンの階層が短い一部製品群に限られているのが現状です。

業界団体との連携

紛争鉱物問題の解決には、サプライチェーン全体で取り組む必要があります。当社はJEITA「責任ある鉱物調達検討会」に発足当初から参加し、2013年度より幹事企業として参画しています。JEITA(電子情報技術産業協会)は紛争鉱物問題に対し、CFSIとMOU(了解覚書)を結んでおり、協力して紛争鉱物問題の対処にあたっています。2015年度は以下の取り組みに参画しました。

  • 二次サプライヤー以降の方への紛争鉱物問題への認識と調査方法の理解を目的に、紛争鉱物調査説明会を実施し、講師として参画。
  • 紛争鉱物調査のデューデリジェンス実施の障害と施策案の検討に参画し、関連業界との意見交換に協力。
  • さまざまなコンピュータ間でのデータ交換を標準化した、紛争鉱物のデータ交換規格、「IPC-1755」の改定作業および本規格に基づいた紛争鉱物報告テンプレートの改定に協力。
  • 自動車企業との共同ワーキンググループ(コンフリクトフリー・ソーシング・ワーキンググループ)に参画し、調査マニュアルおよびツールへのフィードバック実施。
  • 新規に発足した「製錬所支援チーム」に参画し、製錬業者に対するコンフリクトフリー認定への働きかけ実施。

Voice 川中企業の立場から課題解決に向けた提案をしていきます

小林 寛

TDK株式会社
経営管理本部
総務グループ CSR室
小林 寛

JEITA「責任ある鉱物調達検討会」に参画しています。紛争鉱物の問題は、多くのステークホルダーが関係するため、自社単独での課題解決は困難で、連携が不可欠です。JEITAは、この問題解決を主導しているCFSIと連携しており、課題解決に向けた提案を出すことで、国際的に影響を与えることができます。また、サプライチェーンに係る調査の共通化・効率化は、サプライチェーン全体のコスト削減に大きく寄与することから、データ交換の国際規格やガイダンスなどのルール策定に参画しています。今後も川中企業として多くのお客様およびお取引先様との関わりでの経験を踏まえた提案をしていくことで、サプライチェーン全体の効率化に貢献していきたいと考えています。

Comment 知見と経験を活かし、より効率的な経営資源の活用を期待します

山﨑 昌宏 氏

一般社団法人
電子情報技術産業協会(JEITA)
国際部 国際グループ長
山﨑 昌宏 氏

TDKには、JEITA「責任ある鉱物調達検討会」のデータ転送標準化対応チームのリーダーとして、特に、取引先と製錬所情報を共有する世界共通のツールCMRT改訂の際の日本の意見の取りまとめ役を担っていただいています。CMRTは、記入のしやすさや内容の難易度とのバランスが求められる中、TDKには、製品に含まれる化学物質のサプライチェーンにおける経験を活かしていただくことを期待しています。
紛争鉱物への対応は、米国の法制化に始まり、現在では欧州における関連法令の検討、中国での業界団体とOECD共同によるガイドラインの策定など、世界的な広がりを見せています。TDKのような企業とともに、中心課題である人権問題の持続的な解決に向けて貢献していきたいと思っています。

今後の取り組み

紛争鉱物に対するお客様からの期待は、TDK製品に含まれる鉱物が、DRC Conflict-Freeであることです。
お取引先様に対しては、同様の期待を要請するとともに、新規購入品の調査を定期的に実施し、DRC Conflict-Freeが確認できていない品目については、最大限の努力を引き続きお願いしていきます。
また、お客様からの問い合わせ対しては、回答を適宜行っていきます。
一方、課題解決には、業界団体との連携が不可欠であるため、積極的に参画していきます。

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