TDKについて | 企業倫理綱領

コラム

創業の成り立ち

1930年、東京工業大学の加藤与五郎博士と武井武博士は、鉄などの酸化物からなるひとつの磁性セラミック化合物、「フェライト」を発明しました。
「独創性のある工業こそが真の工業だ」という加藤博士の言葉に強い印象を受けた初代社長齋藤憲三は「フェライト」を事業化するため、1935年12月7日に東京電気化学工業株式会社を設立しました。

当時は「フェライト」の応用は未知数で、創業は「夢」を追った「勇気」ある出発でした。しかしながら、東京工業大学とTDKが研究開発を進めた結果、「フェライトコア」という部品として製品化され、1937年に世界に先駆けて日本の無線通信機やラジオなどに応用され、終戦までにのべ500万個が出荷される「信頼」を獲得したのです。

「世の中にまだ存在しない価値を素材のレベルから創り上げる」という創業時からの独創の精神は、TDKのDNAとして受け継がれています。1967年6月に制定された社是は、この創業の精神を反映したものです。

初代社長 齋藤憲三
初代社長 齋藤憲三
“フェライトの父”である加藤与五郎博士(左)と武井武博士(右)
“フェライトの父”である
加藤与五郎博士(左)と
武井武博士(右)

ONE TDK

TDKグループは、顧客対応力および技術・製品開発力を強化するためにグローバル化をすすめ、また、国籍、性別、信条、もしくは社会的身分等にとらわれず、従業員の個性を尊重することにより、多様な人材の確保、育成に努めています。

ただし、その一方で、個人が組織に所属して仕事をするには、その組織の構成員の思考、行動様式や価値観といったものを組織文化として共有することも重要です。組織文化は個人と組織を結び付ける要であり、企業の競争力の源泉でもあるからです。

TDKグループはTDKと多数の連結対象子会社で構成されています。そこにはさまざまな組織があり文化がありますが、最も重要な文化の一つにTDKの社是・社訓があります。

TDK構成員は、TDKグループ共通の企業文化として社是および行動指針を常に心がけ、仕事を行ってください。常にTDKグループの一員として考え行動します。

必要に応じて自らが所属する組織や部門の壁を超え、結束します。そして顧客のために、さらには社会をより良くするために、新たな価値の創造に挑戦し続けます。

それが「ONE TDK」の精神です。

アンゴラ兎から生まれたTDK

初代社長の齋藤は、TDK創業以前、貧農の故郷、秋田を豊かにするという夢を実現すべく、さまざまな事業に取り組み失敗を重ねました。特に秋田の冬は厳しく、農業以外にこの時期に産業がないため、人々はそれこそ生死の境をさまようような苦しい生活を余儀なくされました。彼を突き動かしていたのは、そうした哀しい現実を何としても変えたいという強い思いでした。

アンゴラ兎毛も齋藤が故郷のために取り組んだ事業の一つでした。しかし順調にはいきませんでした。起業したにも関わらず、販売先が見つからないという大きな困難に直面しました。彼は意を決し、アンゴラ兎毛を握りしめ、夜汽車に飛び乗りました。当時の紡績業界をリードしていた鐘淵紡績の社長に直接交渉しにいくためでした。

面談の約束もしていない齋藤だったが、運良く、多忙な津田社長に3分間だけ時間をもらうことができました。アンゴラ兎毛のメリットを全身全霊を込めて説明する齋藤に、津田は魅せられました。気がつくと1時間半が過ぎ、津田は販売を承諾するとともに増産資金も提供しました。

結局アンゴラ兎毛事業は失敗するが、理想に向かってがむしゃらに進む齋藤という純粋な人間に、津田は惚れ込み、その後、TDK創業時の厳しい時期に、起業家としての齋藤の可能性を信じ、多額の資金提供を行い、窮地を救いました。

アンゴラ兎を通じての津田と齋藤の出会いがなければ、現在のTDKはありません。齋藤は後に回想しています。「自分の仕事について、社会的に価値があるという強い自覚と、どんな困難に直面しても決してあきらめないという情熱を持って取り組めば、必ず道は開ける」と。

【アンゴラ兎】
トルコのアンゴラ(首都アンカラの古名)地方が原産で、英仏で毛用種として改良された兎。長く柔らかな毛を持ち、年に3~5回の採毛で、約500グラムの毛が取れます。毛質は軽く保温力に富むため、高級織物や毛糸の原料になります。

アンゴラ兎

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